効率的な記憶の仕組みと暗記のコツ①
水戸市の大学受験・高校生専門塾、
セルフクリエイト水戸校の沖津です。
暗記は勉強する上で避けて通れないですよね。
英単語や公式が覚えられない!
さっきまで覚えていたのに忘れてしまった!
なんて経験、誰しもがあると思います。
覚えたことを忘れないコツを知りたい人はたくさんいるはず。
今回は「エビングハウスの忘却曲線」を使いながら、
効果的な暗記の方法をご紹介します。
参考記事(https://smarteigo.jp/articles/2434)
エビングハウスの忘却曲線への誤解
効率的な暗記法を理解する上でキーワードになるのが
「エビングハウスの忘却曲線」です。
忘却曲線を知らない人はここでぜひ知ってください。
19世紀ドイツの心理学者の
ヘルマン・エビングハウスが行った記憶に関する実験
で分かった結果を表したグラフですが、
世間一般には大きく誤解をされています。
一般的な忘却曲線の理解は、
『人間の記憶の忘れやすさを示している』という内容です。
1日で覚えたことの66%は忘れる?
忘却曲線と言えば、覚えたことがどれくらいのスピードで忘れられていくか
を示したグラフとして有名ですね。
このグラフでは、縦軸の%が「覚えている記憶の割合」を表現してる。
と思われがちですが、これが大きな間違いです。
忘却曲線は記憶の忘れやすさのグラフではない
世間に広まっているエビングハウスの忘却曲線の説明によれば、
人間は1時間後には覚えていたことの
56%忘れてしまうことになります。
インターネット上にある多くの記事やブログを見ても、
同じようなことが書いてあり、
グラフの縦軸を「記憶の残っている量」として表現しています。
しかし、それは日常の感覚とかけ離れています。
もしこれが本当なら
昼間に考えた夕飯の献立を、
夕方買い物している間に忘れてしまうことになります。
そんなことが毎日起こっていたらまともな生活ができません。
おそらく元ネタの情報が間違っていることに気づかず、
多くの人が参考にしてしまったのではないかと思います。
昨日初めて会った人の名前が思い出せなかったり、
朝食で何を食べたかを忘れてしまうことは誰にでもあります。
その一方で私たちは、
好きな事ならばずっと覚えていられることだってできます。
例えば、ゲームのコマンドや、好きな歌の歌詞。
もし世間で広く流布している忘却曲線の説明が本当ならば、
1日後にはほぼ忘れ去ってしまうことになります。
そんなことってありえないですよね?
ここで一度、そもそもエビングハウスの行った実験の中身とは
何だったのかを確認しておきましょう。
忘却曲線は記憶の節約率を示したグラフ
エビングハウスによる実験の内容を正しく知っておきましょう。
心理学者エビングハウスは
「子音・母音・子音」から成り立つ無意味な音節(rit, pek, tas, …etc)を
実験の参加者に覚えてもらいました。
被験者にとっては何の意味もなければ興味もわかない、
そんな情報をいくつも暗記させられるという内容でした。
日本語におきかえて考えると以下のような
「文字の羅列を5分で10個覚えろ」と言われているようなものです。
「ろとむ」「いぽさ」「ことぼ」「てぎち」「ぷあく」
「てひめ」「なろけ」「ちやへ」「るせも」「にぐお」
勉強の嫌いな子どもが、
テスト前に嫌いな科目を意味も分からず
ひたすら暗記しているのと似ていますね。
エビングハウスの実験は、
こうした無意味な情報を覚えるという内容であり、
好きな人のことや興味のあることなど、
私たちが「興味のある、知りたい!」
と思えるような情報ではありませんでした。
それなら、1時間後に半分以上忘れてしまうのも納得ですね。
このような内容からエビングハウスは、
実験の後で1時間、1日といった具合に間隔をあけて、
記憶の“再生率”を調べることで忘却曲線を発見しました。
再生というのは、もう一度同じことを覚えなおすということです。
さきほどの「ろとむ」や「てひめ」など、
あの無意味な文字列をまた暗記するわけですね。
この記憶の再生にかかる負担の違いについて説明したのが“節約率”です。
例えば、最初に「いぽさ」などの文字を
全部覚えるまでに10分かかり、
1時間後に覚えなおすと約7分かかったとします。
この場合、最初の10分に対して3分短縮(節約)できたことになりますね。
この「節約できた時間や回数」と「1回目の記憶に必要だった時間や回数」を比べた比率のことを「節約率」と言います。
(節約率)
=(節約された時間または回数)÷(1回目に必要だった時間または回数)
(節約された時間または回数)
=(1回目に必要だった時間または回数)-(覚え直すのに要した時間または回数)
ある程度時間をおいてから
再び記憶するまでにかかる時間をどれだけ節約できたか?
ということを表すのが節約率です。
誤解してはいけないのは、
忘却曲線は節約率を表しているだけで、
記憶量をどれだけ残っているかを示していないということです。
この実験、100年以上も前の話。
現代のような研究機器もありません。
エビングハウスの具体的な実験方法は分からないままです。
なぜか世間一般に流布している忘却曲線のグラフでは
節約率の変化を「忘れていくスピード」
と言い替えたものが多いですが、
それは元の実験の内容を誤解してるということですね。
このグラフからすると、
「1日後に復習すれば、1回目に記憶したときの約66%の手間(時間や回数)で再び覚えなおすことができる」
ということです。
つまり、1回目より2回目のほうが覚えるのが楽ということです。
長期記憶を効率的に増やしたい人は、
それを最初に習った日のうちに必ず復習することが最も効率的であるということですね。
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