「就職率」で大学を選んではダメ！！全く参考にならない就職率の話。

水戸市の高校生を対象にしたマンツーマン指導塾、セルフクリエイト水戸校の沖津です。
当塾は、ただ勉強を教えるのではなく、
「勉強のやり方が分からない高校生」のスケジュール作成から実行までのサポート、
「やらなきゃいけないのは分かってるけど、なかなかやる気が起きない高校生」のモチベーションを向上するコーチング指導により、３人に２人が第一志望合格という結果を出す高校生専門塾です。

全国の高校生と、高校生の保護者の方に
見ていただきたい内容です。

大学を選択する1つの基準として「就職率」があると思います。
しかし、「就職率」は大学選びの参考に全くならないことをお伝えしたいと思います。

全国の大卒就職率は97.6％

就職に不安を抱えている大学生、保護者の方はとても多いです。

「僕は私は就職できるのだろうか。」
「うちの子は、就職できるのだろうか。」

大丈夫です！就職できる可能性の方が圧倒的に高いので、ご安心ください。

2019年度の全国大卒就職率は97.6%です。

就職できないのは、たった2.4%だけ。

まさか自分が、その2.4%に入るとは到底思わないですよね。

就職に不安を持っている人が多いからか、
「就職率」を大学選びの1つの基準にしている受験生によく出会います。

少し考えてみましょうね。

就職率の全国平均が97.6%なのに、
どのようにして就職率で大学を選ぶのでしょうか。

就職率が95%の大学は排除し、
就職率が98%の大学を候補に入れるのでしょうか。

その差、3%。

3%なんか誤差の範囲ですよね。

結局、就職率が高い低いという話は、全て誤差の範囲であるため
大学選びの参考には全くならないのです。

就職率の算出方法に騙されるな！

そもそも、就職率とはどのように計算されるのかを知りましょう。

きっと皆さんがイメージしている算出方法は、
『就職率＝就職者数÷卒業者数』

100名の卒業者に対して
就職者が80名であれば就職率80%という計算。

実はこれ、間違いなんです。

正しくは、
『就職率＝就職者数÷就職希望者数』

100名の卒業者に対して
家業を継ぐ人が5名、大学院進学者が14名、留学者が4名、就職者が80名、残りの2名は就職活動をしていたものの就職が決まらなかった場合

就職希望者は82名。就職者は80名なので、
80÷82で97.6%の就職率になります。

まさに全国平均の就職率ですね。

きっと皆さんが思っていた就職率の算出方法とは異なっていると思います。

この算出方法、文部科学省が提示しているため、全大学がこのような計算をしています。
(こちらをご参照ください。)

ここで難しいのは、
「就職活動をしていたけど決まらなかったため、家業を継ぐことになった」

という学生がいた場合どうするか。

定義上、就職希望者には加算されません。
上記でいう、「家業を継ぐ人」に分類されます。

また、「就職活動をしていない人(説明会に行ってもエントリーしなかった人)」がいた場合。
こちらも、就職希望者には加算されません。

つまり、各大学の就職率から分かることは、
しっかり就職活動をした人のうち、
働くことが出来なかった(ニートもしくはアルバイト)人が何%いるのか。
ということだけです。

ちなみに就職者数には、正規採用だけではなく、1年以上の非正規採用も含まれます。

東京大学の就職率と共立女子大学の就職率

就職率は意味をなさないということが分かったうえで、
就職率で大学を選ぶとどうなるかを
2つの大学を例にとってみていきたいと思います。

先にお伝えさせていただきたいのは、
どっちの大学が良いとか悪いとか言いたくてこの大学を選んだわけではなく、
この2大学はご丁寧に、卒業者数・就職者数などを公開してくれていたため、
この2大学を例にとらせていただきました。

東京大学
卒業者数：3140名
進学者数：1604名
就職者数：1016名
研修医数：99名
その他数：420名

①就職者数÷卒業者数：32.4%
②就職者数÷(卒業者数ー進学者数)：66.1%

共立女子大学
卒業者数：1191名
進学者数：22名
就職者数：1090名
研修医数：0名
その他数：79名

①就職者数÷卒業者数：91.5%
②就職者数÷(卒業者数ー進学者数)：93.2%

※進学者数には、大学院・専門学校・他大学への進学、留学を含みます。
①は、卒業者に対する就職者の割合
②は、卒業後進学していない人(学生を終了した者)に対する就職者の割合

先述したように、どっちが良いというつもりはありませんが
大学の偏差値と就職率は時に反比例することがあります。

就職率で大学を選ぶことはやめましょう。